第62話

不良とか、頭とか、喧嘩とか、無縁な人なんだろうなと思っていた。



何の心配もしなくて良い人。



それから私達は週末会うようになった。


映画を観たり、遊園地に行ったり、水族館に行ったり、バスケの試合を観たり、サッカー観戦したり。


彼氏とか、彼女じゃないし、手も繋がない、腕も組まない、見つめあったりもキスもしない。


セックスなんて有り得なくて笑っちゃう。


友達には説明しようが無いけど、安心できる存在だ。


馬場さんは私を"花音"と呼び、私は"勇気君"と呼ぶ。



迷惑をかけるのは嫌だから、制服姿では会わないようにしている。


でも、勇気君のスーツ姿は好き。



ガクとは本当に真逆の人。



ガクと別れて半年が経ち、私が立ち直れているのは、勇気君のおかげだ。

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