第56話

警察は5分程で来た。


店内は騒然とする。


私の手からは予想以上に出血していた。



「お前らみたいなガキ、相手して損したよ!!」


智が連行される間際、そう捨て台詞を吐いた。



「クソ大学生!


女とガキ、舐めんなよっ!!!」


そう私は返した。



そして警察に電話してくれた人を探した。


警察に事情を聞かれている男の人がいる。


「電話してくれたのは貴方ですか?」


眼鏡をかけて、背の高い男の人。


優しそうな人だった。



「ああ、俺。


君、怪我したんだね。大丈夫?」


私の手を心配してくれる。



「あの、お礼させて下さい!


お名前と連絡先、教えてもらえますか?」


こういう事はちゃんとしないと。

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