第49話

私は次の日、美容室で髪を明るく染めた。


ガクが好きだと言ってくれた黒髪をさよならした。



ガクからは何も連絡が来ていない。


それで良い、私達はもう終わったんだ。



学校の教室では、友達が合コンの話をしていた。


「ねぇ!それ私も行ったら駄目?」


その私の言葉に周りはシーンとする。



「えっ…ノン、彼氏は?」


「別れたの。だから行きたい!」



出会いが欲しいんじゃない。


新しい彼氏が欲しいんじゃない。



ただ、ガクの存在という大きな穴を何かで埋めずにはいられなかった。


辛くない訳ない。


凄く辛い。


ご飯も喉を通らない。


それでも、前に進むしかないから。



「ノンが行きたいなら良いよ!


一緒に行こう!」



「ありがとう!楽しみにしてる!」



作り笑顔も、いつか本当の笑顔に変わると思いたい。

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