第90話

そのうちケンは多分暴走族の連中が持っていた鉄パイプを振り回す。


殴り掛かってくるヤツらの足を狙っている様だ。


サッカー場は大乱闘になる。


でもガクもケンも負けていない。


グイッ!


えっ⁉︎


身体が後ろに倒れる。


誰かに服を引っ張られている!


私はそのまま背中から地面に落ちた。


イッタイ!


何⁉︎何が起きてる⁉︎


すると首を腕で締め付けられる。


「ぅっ…苦しっ…」


「このまま静かに後ろに来い!」


この声…。


私は力を振り絞って後ろを振り向いた。


「出間先輩⁉︎」


暗くて分かりにくいけど、出間先輩で間違いない。


自分の身は自分で守らなきゃ!


私は先輩の顔を爪で引っ掻いた。


すると、目の前に居たはずの先輩が横に吹き飛ぶ。


ガクだ!ガクが先輩を横から蹴り上げた。

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