第79話

「美織、俺は行かない。


もうお前とは居てやれない」


「じゃあ、死ぬ!死んでやる!」


私はガクの手を強く掴んだ。


「ガク、私が行く!」


気付いたらそう言っていた。


ガクは私を見つめてまた話しだす。


「どこだ?どこにいる?」


どうやら元カノはガクの家の近くのビルの屋上にいるようだ。


「ノン、俺も行く」


電話を切ったガクが言う。


「俺達も行く。美織は何をするかわからないから」


ケンもそう言ってくれた。


私達4人は元カノが言ったビルに向かった。


入口が薄暗い雑居ビル。


4人乗るのがやっとの古いエレベーターに乗る。


「ノン、大丈夫か?」


ガクは私を心配してくれた。


「大丈夫…ちゃんと話し合う」


そう言うと最上階の9階でエレベーターが開いた。


私達は非常階段で屋上へ上がった。

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