第78話
盛り上がっているとガクのスマホが鳴る。
ガクは相手を確認してスマホを伏せた。
「誰?出なくて良いの?」
私はそう聞いた。
「いいよ、美織からだから」
美織…元カノ。
「出なよ、私は大丈夫だから」
知らないところで話されるよりずっと良い。
ケンも鈴も無言になった。
「サンキュー」
ガクは電話に出る。
「もしもし、何だよ。
連絡してくんなよ」
すると静かにしていた私達にも聞こえるような大きな声で元カノは叫ぶ。
「マナブ!助けて!お願い!」
助けてって確かに聞こえた。
私はケンと鈴の顔を見る。
「助けてって…どうした?」
ガクは冷静だ。
「マナブが居なきゃ生きて行けない!
私、死ぬしかない!
お願い、マナブ助けて!
じゃなきゃマンションから飛び降りる!」
電話の内容は丸聞こえだった。
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