第71話

お風呂から上がりガクに電話する


「まだ痛むか?」


ガクは心配してくれる。


「ガクにお願いがあるの」


「何?」


「明日の放課後会える?


私、制服を駄目にしちゃったからブレザーの代わりにパーカーでも着ようかと思って。


それで…ガクが着ているパーカーを貸して欲しいなって思って」


ガクの服に包まれていたら、背中を伸ばしてしっかりしていられる気がした。


「そんなので良いならいくらでも。


放課後って言わず、朝持って行くよ」


「ホント?嬉しい!」


翌日、ガクと学校の近くで待ち合わせをした。


もちろん鈴も一緒に行く。


「これ」


ガクは着ていた白いパーカーを脱いで私に着せてくれる。


大きくて温かい。



「ありがとう!」


「他にもあるから家に取りに来いよ。


そんで鈴ちゃん、俺のダチ紹介するから一緒においで?」


鈴のこと覚えていてくれたんだ!


「行きます!絶対行きます!」


鈴は目をキラキラ輝かせた。

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