第69話

家に帰るとテーブルの上に私のボロボロのブレザーが置いてある。


お父さんもお母さんも椅子に座って私を見た。


「花音、座りなさい」


そうお母さんが。


私は2人の向かいに座った。


「この制服どうしたんだ?」


…とお父さん。


どうしたんだ?と言われても何から話せば良いのか、どこまで話せば良いのかわからなかった。


「……」


俯いたまま黙る。


「花音、もしかして学校でイジメられてるの?」


私を見つめるお母さんの顔を見て首を横に振る。


「それは違う。友達も沢山できたし楽しくやってる。


…ただ、ちょっと誤解があって他校生に呼び出されただけ。


もう解決したから、大丈夫だから」


解決…したのかな。


元カノが簡単にガクを諦めるとは思えない。


また来るかもしれない。


「本当に?本当に大丈夫なの?」


「大丈夫だってば!もう寝るから。


今日は疲れたから!」


テーブルのブレザーを掴み2階の部屋に入った。


本当に疲れた…。

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