第60話

ガクはすぐに砂だらけの汚い私を、跪いて強く抱き寄せた。


「美織!お前何してんだよ!


俺達はもう終わったんだ。


こんなお前らしくねぇ事するんじゃねーよ!」


そう言いながら私の手を強く握る。


「マナブ!そんな女のどこが良いの⁉︎


マナブのこと理解できるのは私だけだよ!


そんな弱い女、マナブについて行けるはず…」


「うるせーっ!!!」


ガクは元カノの言葉を遮った。


「お前らに言っておく!


今の俺の女はコイツだ!


今度こんな事してみろ、女だからってタダじゃおかねぇぞっ!!


わかったら失せろ!!!


俺とコイツの前にツラ見せんな!」 


凄い迫力でガクは怒鳴る


納得はしていないだろうけど、元カノ、菜々緒、残りの2人も荷物を持って公園から出ていった。


「ノン⁉︎大丈夫か⁉︎


どこか痛いところは?」


優しいガクに戻る。

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