第51話

「他には?聞きたい事ある?」


この際だ、全部聞こう。


「不良のトップなの?」


「不良って俺らが決めたんじゃない。


周りがそう見てるってだけ。


中学の頃から同じ学校の上のヤツや、他校生に呼び出されてた。


売られた喧嘩を買っていたら俺より強いヤツが居なくなっただけ。


それがトップとか、頭だって言うならそうなんだと思う」


何だか悲しそうに聞こえる。


貼られた不良っていうレッテルは剥がれないのかもしれない。


でも、私は味方でいたいと思った。


「その顔の怪我は?喧嘩?」


頬と口もとにアザがある。


「高校に入学してまた新たな敵ができた。


毎日呼び出し食らっては喧嘩。


だからお前を迎えに行くまでに時間がかかったよ。


どこまで行ってもキリがねぇってわかってるけど、負けるのは嫌いだ。


喧嘩するからには勝つ。


ノン、俺は高校でも上に行くぞ。


敵は多い。


お前にも火の粉が飛ぶかもしれねぇ。


泣かせるかもしれねぇし、心配をかけると思う。


それでも俺はお前と居たい」

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