第22話

話をしているうちに10時を過ぎようとしている。


「やっぱり何かあったんだ…どうしよう」


「職場に連絡してみるか。番号わかる?」


「わかる!


何かあったらかけなさいって小さい頃から書いてくれてたの」


何でもっと早くに気付かなかったんだろう。


電話帳を探していると家の電話が鳴った。


プルルルル!プルルルル!プルルルル!


ガチャ。


「はい!朝比奈です!」


お母さん?お父さん?


「もしもし、朝比奈 圭吾(あさひな けいご)さんのご家族の方ですか?」


知らない男の声。


「はい!娘です!父は?母は?」


「タケナワ中央警察のナトリと申しますが………」


「…警察?」


頭が真っ白。


何も話が入って来ない。


私は膝をついた。


すると手から受話器が奪われる。


「俺が代わる。もしもし、代わりました。


はい、家族です」


警察が何で?


ガク君が何を話しているのかも聞こえない。


手が震える。

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