第2話

「あのさ…突然だけど彼氏とかいるの?」


「いないよ?」


何で?とは聞かなかった。


「いないって!」


あれ?今いないって!って誰に言ったの?


私に言ったんじゃない。


「誰かそばに居るの?えっ?何?」


少し間があってまた上原は話しだす。


「ノンちゃん、ちょっと待ってね」


私は無言で待つ。


「………もしもし?ノンちゃん?」


上原より低い声だ、聞いた事のない"ノンちゃん"。


「誰?」


「俺、ガク。ワダガク」


「ワダ、ガク君?」


私達の中学の卒業生じゃない。


知らない名前。

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