アーチェの特訓

第1話

今回の話は…


クレスの時代から50年後の話――。





「あ~っ!!

また失敗した~~!!」


部屋中に、アーチェの声が響く。


アルヴァニスタの宿屋に彼女だけ。


クレス達はそこにはいない。

彼らは、ユミルの森に行っているからだ。

いつもだったら、アーチェはこっそりついていってしまうのだが、


『今日は、アタシ行かないからね~』


とアーチェ自ら言ったのだ。

みんなはそのことには触れなかった。今回は、森でさがしものをするだけだし、気が乗らないのだろうと簡単に許可をしてくれた。


アーチェが一緒に行かなかったのには理由がある。


それは…。


「ミートソース、また焦がしちゃったあ~っ」


がっくりと肩を落とすアーチェ。


そう。


料理の練習をするためだった…。

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