第36話

*俺さまの出番*



(ロイドくんが、そろそろくる頃だなぁ~~vV)


華やかな衣裳に包まれた女性達に囲まれた男性は一人、これから来るイベントに頭がいっぱいだった。


「ゼロスさま。どうされたのですか?」


「いやいや。

綺麗な娘達に囲まれて、俺さまは幸せ者だな~って思ってたのよ」


「まあ!ゼロスさまったらvV」


ごまかすための、とっさの彼の言葉に頬を赤らめ、きゃっきゃっと喜ぶ女性達。


どうやら、関心が反れてくれたようだ。


(ふぃ~。

あぶねぇ、あぶねぇ。)


ゼロスは心の中で額の汗を拭った。


ようやくロイドくんに会えると思ったら楽しみで楽しみで…つい緩んじまったぜぇ。


(っと…もうここまで歩いてきたか。


上流地区と平民街の中間。広場が目の前に見えた。


もうすぐ…。


もうすぐだ。)



ゼロスの胸は期待で高鳴った。

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