第16話

*父と子*



キィィンっ


クラトスとロイド。二人の剣がぶつかり、辺りに響いた。


ヘイムダールの奥、トレントの森。仲間たちが見守る中で彼らは戦っていた。


こうなることは、ロイドが世界を統合させると決めたときから分かっていた事だ。


オリジンの解放。


それができるのは私だけだから。


「とぉっ!」


ロイドは何度もたたき込んでくる、それをクラトスは受けとめ、はね返す。


ロイドは強くなった。

戦いを重ねて、力も技も心も。


私は、ずっとおまえを見守ってきたが、


それも今回で最後だ。


「はっ!」


今度はクラトスが仕掛ける。そこに一瞬隙ができた。


「獅子戦吼!」


それをロイドは見逃さず、姿勢を低くしてクラトスの脇腹に技をたたき込んだ。


「くぅ…!」


気を放つ技で、クラトスは弾き飛ばされたが剣を地面に刺し、倒れこむのを防いだ。


その間にロイドは体勢を立て直し、もう一撃と迫る。

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