第43話

10.また会おう



ジリリリリっ!


いい気分で眠っているときに、耳元で鳴っている音はすごーくうるさかった。


「わかってるわよぅ…」


だるそうに手を毛布から出して、目覚まし時計をぱちりと押して止めた。



「キリヤ起きなさーい!

遅刻するわよ!」


アタシの日課。


キリヤを叩き起こして、


「クレハさん、おはよう」


「シーナさん、キリヤくん。おはよう」


途中、神社に寄ってクレハさんと合流。


「よう!

相変わらず両手に華だな!」


学校に行く途中、いたずらっぽく笑いながら3人の間に割って入ったのは、


「そんなんじゃ…」


「ほ、ホント!

何言ってんのかしら!」


「おはよう、ソウマくん」


昨日は何があった。


今日はこういうのがある。


そんな話をしながら、アタシたちが通う『聖ルミナス学園』に向かう。



「遅いぞ、お前たち」


放課後。

朝のメンバーで(キリヤは強制で…ね!)光風館に行くと、すでに二人は来ていた。

奥にある窓際に立っていた生徒会長。彼から少し離れた席にひかえめに座っているのは会計のヒルダさん。

アタシがドアを開けたと同時に、鋭い声が飛んできた。


「ちょっとHRが長引いたのっ」


「…早く席に着け」


「……。」


あたしの言い分を聞く気など無いようで、仕方なく席に座った。

それを確認すると、


「では、はじめるぞ」


最後に生徒会長が座って、会は始まる――。




アタシたちは、またこの世界で無事会うことができた。

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