第90話

◆◆◆◆◆


そしてデートの当日、日曜日──


私は自分の部屋の鏡の前に立って腰に手を当て、『まぁこんな感じかな』と自分の姿を確認した。


髪はいつも通りすとんと下に下ろしたまま。


ベージュのニットカーディガンに白のブラウス。


少し明るめの紺色の生地に黄色の小花模様のついたガウチョパンツ。


地味でもなく派手でもなく、気合も入りすぎずで、たぶんこんなくらいが丁度いいでしょうという辺りを探ってみた、今日の私のベストコーディネートだ。


それにしても……。


今日は一体どんな一日になるんだろう。


万亀と二人でデート、なんて想像つかなさすぎて何だか憂鬱。


本当はめちゃめちゃ楽しいはずのファンタジーエクスペリエンスパークで、しーんと寂しいくらい盛り上がらなかったらどうしよう。


いや、別にそこまで盛り上がらなくったっていいんだけど、せっかく貸切までされてて しーんとしちゃったら、もうなんか目も当てられないっていうか。


私、今後一生あのパークに行けなくなっちゃうかもしれないじゃない。

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