5.デート?
第85話
金曜日になって、今週もようやく終わりかと一息つく頃。
「……週末、ですか?」
私は思わず怪訝な顔と声でそう問い返した。
問い返した相手は猪熊さん。
その猪熊さんは苦笑のような微笑みのような笑みを浮かべて「はい」と答えた。
「ご予定がなければデートにお誘いしたいと幸右様が」
言ってくる。
私はそれに えー……と不満気味に心の中で思う。
あれから約二日。
確かに万亀は『私が猪熊さんを好きっていう嘘』を皆にバラしたりとかはしなかったし、もちろん私と万亀が『三ヶ月間だけ付き合う』っていう事実もあからさまにはしなかった。
まぁ目が合えばフツーに笑いかけてくるし、手を振ってきたりもするし、その辺は相変わらずだったけど。
でも私のイメージする『付き合う』とはちょっと違って、なんていうか……。
前と何も変わらないわね。
っていう感じだった。
変わった事と言えば学校への行き帰りのリムジンを私が断固乗車拒否した結果、代わりに猪熊さんがボディーガードとしてついてくる様になった事くらいかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます