日常・距離

第39話





「…また来てたのか。」



「…………。」




呆れたように呟く天野さんへと私は視線を向ける。




「……今晩は。」



「……あぁ……。」





小さく頭を下げた私に天野さんは肩を落とした。





あれっきり、もう会う事はないと思ってた天野さん。




でも、違って。





私がこうしていつもの定位置で座って人の波を見つめていれば、天野さんはどこからともなく現れた。

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