第37話




「……夜の繁華街は危険だって昨日、言っただろ。」




今に思えば、一目惚れだったんだろう。




こんなにも、この女の身を気にするような事を言ってしまうんだから…。




「……。」




「……?」




何も言わず困ったような表情を浮かべた莉茉に、俺は内心で首を傾げた。





…何か訳があんのか?





この場に固執する訳が。






―――その、悲しげな瞳の訳が。

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