第22話




綺麗なんて、絶対に男性に使う言葉ではないけれど、私の目の前に佇む存在は、そう思えるぐらいの容姿をしていた。




他者とは違う、圧倒的な雰囲気。



不思議な存在。




「そいつ、嫌がってんだろ?」



別に、声を張り上げた訳じゃなかった。



怒鳴ってもいない。




「おい、聞いてるのか?」



ただ、淡々とした声。




なのに、なぜか逆らえない。




「は、はいっ!!」




かくかく頷くナンパ男。




………………その姿に、さっきまでの威勢はなかった。

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