第8話 救世主現れる

う〜んん。

『説得かぁ…。』


愛の中で

天斗から

また次の策の

ヒントをもらった

気がした


実は愛には

最強の味方が居るのだ


それも

その味方のココロは

ずば抜けて

頭がいい


愛は無条件で

ココロの助言は

受け入れることが

できる


それぐらい愛は

ココロを信頼していた


ココロは愛の話を

聞いて


『愛ちゃん、お父さんと

お母さんが

この人の言う事なら

聞けるって人って

いない?』


あ〜それは

『父親の姉だわ!』


ココロが

その人に愛の今の

素直な気持ちを

手紙に書いてみたら?


『さすが!ココロだ!

ナイスアイディア!

うん!

書いてみる!』


どうか…

神様…

叔母から良い返事が

きますように…


数日後…

ポストを見ると

叔母からの手紙が

入っていた


愛は

ドキドキしながら

かすかな

希望を抱きながら

ゆっくり

ハサミを入れて

手紙を取り出した



叔母は一度

天斗と会って

話してみたいと

書いてくれていた


愛は

飛び上がって

喜んだ


『よし!がんばるぞ!』



改めて考えてみると

天斗は

愛の母親だけでなく


愛の職場の上司も

嫌っていて


とにかく

天斗と

付き合ってから


天斗との交際を

邪魔する人が

どんどん

増えてきてる


がんばって

好いてもらおうと

ふたりで

あの手この手と

やってみても


ふたりのことを

応援してくれる人が

数人しか

居ない


比率で行くと

9:1ぐらいで

9は反対派

1は賛成派


だから

愛自身も

天斗って

そんなに

良くない人

なんだろうか?


自信が持てなく

なって来てるのは

あった


なので叔母に

天斗を会わせるのは

物凄く

不安でもあり

小さな希望

でもあった


『おばちゃん、

今日は来てくださって

ありがとうございます』


叔母は笑顔で

天斗とゆっくり

目をみて

話してくれたり


優しく

穏やかに

耳を傾けてくれた


そして

叔母は

『感じの良い、優しそうで

真面目な人じゃない』

『なんで?愛の両親は

反対するんだろうねって』

言ってくれた


さらに

『力になるよ』

とも言ってくれた


愛も天斗も

嬉しくって

抱き合って

感動して泣いた


そんなある日…

いとこ達と集まってて

いとこの彼氏の

話で盛り上がった


愛も

天斗との事を

話そうとしたら


母が

みんなの前で

『ホント見た目も

ブサイクだし、

性格も悪いし、

無愛想な子で

わたし、

大嫌いなのよ!』


って物凄い

剣幕でまくしたてるので

周りもし~んとして

しまって

空気が重苦しく

なってしまい…


愛はその場に

いたたまれなく

なってしまったので


足早に

離れの祖母の家に

逃げて

ワンワンひとり

泣いていた


すると

祖母が

『どうしたの?』


う…ん…ひっくひっく…

涙をぬぐいながら

愛は

『両親がね

わたしの

好きな人のことを

大嫌いで、

さっき

いとこ達の前で

酷いこと

いっぱい言われて…

悲しくて…』


祖母は、

かわいそうに…

よしよしと…

頭を撫でてくれた

愛は少しほっとした


それから1ヶ月が

経った頃…

いきなり祖母の

訃報の知らせを聞き

ショックで

悲しくて…

落ち込んだ


そしたら叔母から

電話がかかってきて

一度ゆっくり

会えないか?と

言われた


天斗とふたりで

出向くと

叔母が

『実は、

おばあちゃんから

遺言があって…』


『遺言?』

愛はあまりの

言葉に驚いてしまった


ゆっくり

叔母の話を

聞いていると


どうやら

祖母が

叔母に

愛と天斗の味方に

なってやってほしい


そして

『ふたりを

結婚させて

やってほしい』

と遺言に

書いてくれてたみたい


愛は

祖母が亡くなった事は

物凄く辛いことだけど


祖母が

こんなに素敵な

贈り物を

残してくれてた事の

方が

嬉しかった


『おばあちゃん、ありがとう』

『愛、がんばるよ!』


愛には

最愛のおばあちゃんが

救世主になって


最強の叔母という

味方を

授けてくれた


絶望してた愛に

一瞬の光が

照らされて来た




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