第5話 意外な展開

今日は

天斗に告白の

返事をする日


外は

どしゃ降りの

あいにくの大雨


愛は

この何日かの間…


ココロと対話

しながら


いっぱい

いっぱい

考えた


なるべく

天斗を

傷つけたくないと

思いながら…


伝える言葉を

一生懸命

あたまの中で

何度も

何度も

思い浮かべて…


天斗との

待ち合わせ場所で

愛は気持ちの

整理をしていた



『愛先輩〜』

『お久しぶりです』

『今日は雨の中』

『来てくださって』

『ありがとうございます』


天斗は

物静かに冷静な

雰囲気を

漂わせていた


愛は

心がソワソワ

ドキドキ…。

いろんな感情が

入り混じってる

感じだった


傘を一人ずつ

さして歩きながら

天斗の後ろに

ただ着いていく愛


どのくらい

歩いただろ…。

天斗が

お寺の階段を

登っていく


『愛先輩…』

『雨がひどいので』

『ここで雨宿りしましょう』


あまりにも

雨音の方が大きくて

天斗の言葉が

聞き取れにくい


とにかく

ついて行こう…


天斗がお寺の境内で

立ち止まって

座れる場所を

見つけている


『ここに座りましょう』


結構ふたりとも

雨に濡れて

びしょ濡れだった


初夏だったので

寒くなかったのが

まだ幸いだと

愛は思った


愛は大の寒がりで

めっぽう

冬は苦手だからだ


そんな思いに

ふけている

愛とは違って


天斗は愛にどんな

返事をされるのか?

不安で

いっぱいだった


天斗は

めいいっぱいの

勇気を出して


『僕の』

『彼女になって欲しい』

と伝えた


愛はあらかじめ

返事を用意

していたので

落ち着いた口調で

ゆっくり…


『ごめん…』

『年下の天斗のことは』

『親友としか』

『思えない』


天斗は

それでも簡単には

引き下がらなかった


『僕が年下だと』

『なぜ、ダメなんですか?』



それは…

『頼りなく感じるから』

と愛が答えると



天斗は

『僕、頼れる男に』

『なります!!』

それでも…

だめですか?


そんな問答を

かれこれ5時間も

しているので

愛はクタクタに

なってしまった



そんな天斗が

極めつけの

言葉を言ってきた。


『僕を振ったら』

『もう、親友もやめる』

『明日から全くの』

『他人になるよ』



愛は迷った…

天斗という親友を

失うのは

大きすぎる…


ここは付き合いを

とりあえず

OKしょう…。


愛は

でも…

一生ラブには

なれないかも…

それでもいいなら

宜しくお願いします。

と返事をした


天斗は

雨上がりの

虹がでてきて

青空が顔を

のぞかしてきたような


そんな

晴れ晴れとした

爽快な笑顔で


『やったぁ!!』

『ありがとう』

『愛〜』

って優しくハグを

してきた


そして

ここに来るまで

一人ずつ傘を

さしていたのに


天斗は

自分の傘に

半ば強引に

どうぞ〜って

誘い入れて来る


いつも

年下の天斗とは

違って

めちゃめちゃ

男性の行動力さを

感じながら


天斗に

流されるままの

愛だった


ふたりは

今日から

親友から恋人に

関係が

レベルアップしたのだ

























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