樹の上の子猫
第1話
キーンコーンカーンコーン…
放課後のチャイムが鳴り響く校舎内。
どのクラスも随分と前に
廊下を歩く生徒達も、まばらだ。
そんな中、二年B組の教室に一人残って作業をしていた
(あとは、これを職員室に出して行けば終わりだ)
帰る準備をして、書類を片手に教室を後にする。
昇降口へと向かう途中にある職員室の前で足を止めると、開いたままの扉から職員室内を覗いてみる。
すると、クラス担任が席に座って他の教師と話をしているのが見えた。
「先生、これ…お願いします」
実琴は傍まで行くと手にしていた書類を差し出した。
「おう、
担任は受け取った書類に目を通しながら聞いて来る。
「いえ、全然です。女子はまだ良かったんですけど、男子は話し合いにもならなくて…。最悪でした」
不快感を隠すことなく言った。
そんな実琴の様子に担任は苦笑を浮かべると、同情するように言った。
「まぁなぁ…長嶋は、男子全体を
実琴と共にクラスの学級委員をしている男子生徒の名前を出して、先生はワザとらしく溜息を吐いた。
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