第18話

「明日はあの砂漠を越えるのかぁ」

だるそうに、僧侶のロウは言う。


「でも、それを越えていけばアンリ様のいるマナリナですよ」


ガーディアナ国の事。

王様…つまりアンリ様のお父様が亡くなったことを。


会えるのは嬉しかったけれど、伝える内容の事を思うと、少し気が重かったです。


アンリという名前を聞いたロウは、思い出すように天井を見上げた後、顔をゆるめて。


「へへへ。

姫様は美人なんだよな」

「アンリ様の噂なら私も聞いています」


アルタローンで仲間になった、同じく僧侶のチップも参加する。


「とても美しい姫様だとか」

「へへへ。そりゃもう」


…私、ロウは好きじゃないわ。可愛い子がいると、しつこく声かけるし。


(あれ?私は声かけられてないわ?)


「こら、ロウ!」

ロウの頭を軽く叩いた、隣で話を聞いていた人。


それがマックスさん。

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