第5話
彼はきっと生きている。
そう信じる、彼女の名はアンリ。
亡き父親ことガーディアナ国王のたった一人の娘である。
亡き国王のあとをアンリが治めることになった。
とはいえ、今まで魔術の勉強をしにガーディアナから北西に位置するマナリナに留学していた彼女であったから、政治の経験は少ない。
そのため父親の代から補佐をしていたノーバに教えてもらうことにした。
おかげて慣れてはきたけれど、王女がやるべき仕事は山積みで、外の世界に行く機会は限られていて、出られても護衛の騎士付き。
自由がない。
旅をしていた頃が懐かしく感じられた。
自由に動ければ、探しに行けるのに。
椅子に座ったまま体を東側の窓に向け、そこから見える海を見つめた。
旅の最後を迎えた海を。
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