夏x風

夏祭り・前編

第12話

それはいつかくる未来。






リーベリアで暮らす事を決め、トライハルトにヒルダ。そしてそこの住人の協力で、汚染されてしまったアストライアに緑が増えてきた。


「なあ、復興祭っていうのをやらないか?」


そんな時。

リーベリアの各地を回っていたソウマは、時々ここに帰ってきて森の様子を見に来る。


そして晩御飯を食べている時に、あいつはそうポツリと言ったのだ。


「何を言ってるんだソウマ。そんな事してる―…」


「暇無い。なんて言うなよな、トライハルト?」


言い当てられて、俺は口をつぐんだ。


「俺は必要な事だと思ってる。たまには息抜きするつもりで、やらないとダメだぜ?」


そういうものなのか?


「まず射的だろ?そんでりんご飴にやきそば…」


「ソウマ…。

それは復興祭ではなく、ただの夏祭りだ」


そっちが目的か。

と、深くため息をついた。


「し、しまった…」


「…まったく」


この話は、終わりになると思っていた。しかし。


「ふふ。

ソウマ先輩、エルデが恋しくなったんですね」


キッチンからヒルダが顔を出す。


テーブルに3人分の紅茶を置いて、ヒルダも席に座る。


「そうかもな」

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