第81話

「ねぇ、佐紀?アンタやせ過ぎだよ…」



そう心配してくれてるこの子は同じ会社の同期の若葉



「…うん。最近、食欲なくて」



「そっか…やっぱり相変わらずなの?」



若葉には彼の事を相談してるから、こうしていつも気にかけてくれる



「フッ…今日も飲み会だって」



投げやりに言う私に



「佐紀、もう別れなよ…こんな事、言いたくないけど…見てらんない」



若葉が初めて別れを進めてきた



「…分かってる。今日、彼が嘘を吐いてたら…別れるから…」



そう、私は心の中で決めていた



「でね、若葉にお願いがあるの。今日、彼の会社に一緒に行って欲しいの。嘘を確かめに行くから」



「分かった。私もこの目で確かめてあげる。もし、彼が嘘吐いてたら、そのまま家においで」



若葉は私の手を握り締めてくれた



「その時は、お世話になります」



審判の時まで・・・後二時間

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