第95話

紫音は俺だけを見つめる



その瞳に嘘はなく・・・



瑛「渉、今は何も考えんな。後で話せばいい。お前が望んだ事だろう?」



そうだ。俺が決めた事だ



俺はペンを走らせた



「書けました」



用紙の右の欄には俺の身元引受人の瑛さん、紫音の身元引受人の笹原さん



全て埋まっていた



笹原「私はお2人と提出に行って参ります」



飯島「私も同行致します」



2人は先にリビングを後にした



恵「紫音。これであなたは、あたしたちの娘よ。遠慮はいらない。渉とケンカしたらいつでも帰って来なさい」



「恵さん…」



恵「やめて。ママって呼んで」



「…ママッ」



呼ぶと同時に恵さんは紫音を抱きしめ



恵「どんな時もあたしたち家族がいる。1人じゃないのよ」



背中を擦りながら優しく言い聞かせる



何度も頷く紫音



「ケンカなんかしません。するのは、愛する事と…もしかしたら、嫉妬…ですね」



俺は恵さんにそう言って紫音を抱き寄せた

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