母の面影Ⅱ

第84話

話しの間、紫音はただ恵さんを見つめていた



俺も聞きながら紫音を見つめていた



恵「紫音、ありがとうね。産まれて来てくれて。良く似てるわ…。雰囲気は音羽。その、曇りない瞳は透流に・・・」



「恵さん・・・」



俺はこんな時、何て声をかければいいのか・・・



「…ママ・・・ッ…パパッ・・・」



紫音が泣きだすと



恵「…紫音。おいで」



両手を広げ紫音を包み込む



恵「紫音のパパとママはとても愛し合ってたのよ。いつも手を繋いでた。いつも笑ってた。今の紫音と渉みたいに。」



「ぅっくッ…」



恵「紫音・・・一緒に2人に会いに行こうね。渉のお陰で会う事が出来たって」



恵さんの腕の中でコクコクと頷き



「ぁりがとうございます・・・」



そう呟き嗚咽を漏らす



その時、リビングのドアがバンッと開けられ・・・



「ぅぁ~ん」

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