紹介Ⅱ

第70話

外に出ると紫音は下を向き足元しか写さない



俺と2人の時とは全く違う



表情も仕草も



でも、繋いだ掌は温かく紫音を感じさせてくれる



こうして紫音の病気を目の当たりにすると心が痛い



今までこうして自分を守ってきた紫音



そうしなければ自分を守る事が出来なかった紫音



小さな紫音が膝を抱えてる姿が脳裏に浮かぶ



抱きしめてやりたい



ありったけの愛を与えてやりたい



俺は今更な事を考えてしまう



『ギュッ』



「≪ありがと。≫」



やっぱり・・・



紫音の心の声が俺には聞こえる



紫音にも俺の心の声が聞こえる



俺は繋いだ手に口づけをして、心の中で



「≪愛してる≫」



紫音は少し顔を上げ、最高の笑顔をくれた

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