悩める子猫Ⅲ
第66話
「渉・・・私、本当に月曜日からお仕事に行ってもいいの?」
今度の悩みは不安も入ってる為、俺の手を握っている
「あぁ。あの時は紫音の意見も聞かずに勝手に決めて悪かったと思ってるけど、紫音の為にもなると思ったんだ」
「私でいいのかなぁ?」
「あの時も言ったけど、紫音だからだよ。彩ちゃんの仕事は人の心を分かりたいって思う人じゃないとダメなんだ。確かに紫音は上手く話せないかもしれない。でも、誰よりも心を分かると思う。それは上手く話す事の出来ない紫音だから出来る事だと思う。彩ちゃんは紫音に手助けをして欲しいって心から思ってるよ。」
「・・・私、いっぱい失敗するかもしれないけど・・・やってみたい」
「うん。俺も紫音を助けるから。」
「ありがと。いっぱい、ありがとう。」
目を潤ませ、それでもお礼を言う紫音を優しく抱きしめ
「いいよ?泣いて」
すると、シャツを掴み小さな嗚咽を漏らす
紫音は今まで素直に泣く事が出来なかった
俺の前ではいくらでも泣いていい
いつだって抱きしめてやる
この悩みは紫音が何度も経験してきた悩みだと思う
『私で・・・』
これからは、『私が…。私だって…』に変わる様に支えていきたい
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