溺愛Ⅱ

2人の季節

第7話

「彩、起きて」


「彩、朝だよ」


「・・・んぅ・・」


「彩、抱っこは?」


「・・するぅ・・」




これまた、いつもの日課


でも今日は・・・


「彩、今日はちゃんと制服着て下りて来て」


「・・ん?なんで?」


「ふふ・・いいから・・」


まだ寝惚けてる彩にキスして


「今日は大切な日になるよ。彩にとっても、もちろん俺にとっても。」


ゆっくり話しかけると


「・・ん?分からないけど分かった。」


と言いながらベットから出た。


「先に下に行ってるね。」


俺は部屋を出て小さなため息をひとつ。


これから俺は・・・所謂、彩の両親に正式な挨拶をする。


今更な気もするが・・・。


ケジメ・・・そう!男のケジメだ!




~~~~~~~~



「彩、起きた?」


「まだ、寝惚けてんだろ!」


「彩ちゃん、いつまで経っても可愛いわぁ」


「俺が起こしに・・」


上から・・・


彩ママ(恵・・めぐみ・・)


彩パパ(瑛・・あきら・・) 


俺の母親(幸・・さち・・)


俺の父親(直・・なお・・)


この4人は元高校の同級生で今は共同で建設会社を興して・・・まぁ身内だ。




「・・・親父、彩の部屋には近づくな!!」


俺が威嚇すると


「っばっ・・お前、自分の父親を変態みたいに言うな!!」


「・・ふっみたいじゃなく直は変態だろ。」


彩パパの瑛さんが苦笑いしながら親父の肩を叩く。


「やだ、あたし変態と結婚したの?」


とボケか天然か分からない事を言うのが俺の母親の幸


「幸、大丈夫よ。変態じゃなく変質者だから・・・。」


綺麗な顔で毒を吐く彩ママの恵さん


「恵ちゃんそれはフォローじゃないよ・・。」


俺の弟の梗(きょう)


「母さんはフォローじゃなくトドメ刺したのよ。」


沈着冷静に語る彩の妹の優(ゆう)


「・・・俺って・・・。」


「拗ねるな、親父。変態でも変質者でも俺達家族が居る。」


場を収めたいのか面倒なのか終わらせ様とする俺の歳の離れたまだ保育園児の櫂(かい)


この7人+彩と俺=9人が家族だ。

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