同じ思い

第4話

幼少期・少年期・青年期いつも隣には彩が側に居た。


この先も俺の隣には彩が居る。


その事に不安はない。


ただ、自分の欲望が彩を傷つけるのが怖い。



中学を卒業してすぐ彩が俺に


「智くん聞いて欲しい事があるの・・・。あのね・・・智くん我慢してない?あたしじゃダメ?」


顔を真っ赤にしながら聞いてきた。


「あたし、初めても最後も智くんがいい!智くんじゃなきゃ嫌っっ」


俯き肩を震わせながらも涙を溢さない様にしてる。


そんな彩に


「彩、俺を見て。彩、ありがとう、話してくれて。俺も彩にちゃんと答えるから。最後まで聞いて。でも、途中で分からない事があったらすぐに聞いて。誤解されたくないから。いい?」


「・・わかった。ちゃんと聞く。」


「彩、俺はね今すぐにでも彩を抱きたい。もっと言うと頭の中では何度も何度も彩を想像してた。それこそ毎日。俺の頭の中を彩が覗いたら気を失うと思う。こんな俺、怖い?軽蔑する?」


「・・怖くなんかない、軽蔑なんてする訳ない。・・・だってあたしもそうだもん。友達の話を聞いたり、ドラマのそういうシーンをみたりしたら『智くんだったら・・・』って考えちゃって・・・あたしHなんだもんっ。智くん見るとキスしたくてもっと近くに居たくて・・・。・・お願い嫌わないでっっ・・。」


涙を溢しながら俯く彩を抱きしめ


「彩、同じだよ。同じ気持ちだよ。嫌いになんてなれるかよ。昨日より今日の彩を好きになる。毎日その繰り返し・・・。寝惚けてる彩を見て好きになる。ギュってしたらまた好きになる。そんな女の子手放すかよ。」


「・・智くん・・。」


「・・智くんが好きっ。大好きっ!」


小さな身体を俺に預けて涙を流す彩。


俺は背中を優しく撫でながら髪にキスを落とす。


「・・智くん?」

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