克服

第92話

「それが蛸橋さんとの出会いでした」




「僕は、こんなダメな人でも生きていけるんだと思い自信がついたのです」




「僕は、この人よりマシだと思うと、今までの自分がちっぽけに思えて…」




「それで完全にひきこもりを克服したのです」




「これも全て蛸橋さんのお陰なのです」



大人しく、話を聞いていた太郎が少しキレ気味にー




「なんだか誉められているのか、貶されているのかわからないじゃないか!」




「いやいやいや、何をおっしゃいます、結論誉めているのですよ」




「しかも、蛸橋さんには感謝しているのですから」




「生きて行く自信が持てたので」




「一言余計だよ!」



「すいません…でも、本当に感謝しています」




「本当か?」




「その証拠に、こうして18年も通ってるじゃないですか」



「それもそうだな、よし、わかった」




「それで太郎ちゃんのファンになったって事なんや」




「ファンって言うか、蛸橋さん見てると安心出来るので」




「だから、一言余計だっつ~の!」




「…すいません」




「ファンです!」




「ある意味…」




「おいっ!」




理由はともあれ、1人の人生に良い影響を与えた太郎はやっぱり凄いのである。



ある意味。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る