極端

第59話

「どうだ、狭いけど雨風は凌げる」




「まぁ…」




「なんだよ、不満か?」




「そうじゃなくて…」




「なんだよ、言ってみろよ」




「いや…本当にお世話になっていいのかなって…」




「なんだ、そんな事気にしていたのか」



「いいよ、自分の家だと思って自由にしていいから」




「ありがとうございます…」




そう言って、あくびをしながら、いきなり寝転び始めた男。



「おいっ、いきなりそれは無いやろ!」



「だって今、自分の家だと思っていいって」




「確かにそう言ったけどだな」




「ならいいですよね」




「お前、本当に極端な奴だなぁ」




「そんな所も、昔の俺にそっくりだよ」



「憎めない奴だよ」

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