迷子

第38話

キョロキョロ。




くまなく探す幸せ者。




リアクションが変わった。




遂にお目当てのカチューシャを見つけたようである。




店頭に陳列している例のカチューシャを素早く手に取り、一目散にレジに向かった。




「お客さん!お釣り!」




幸せ者、何故かテンパってお釣りを貰うのも忘れて出口の方に一目散。




しかし、店を出たのは良いが、テーマパークの出口が見つからない。




カチューシャを求めて、随分遠くに来たようだ。




ヤバい。




迷子だ。




退園口を聞こうと、道行く人に話しかけようとするが、避けられる。




その格好じゃ無理もない。




だって怪し過ぎる。




結局、怪しい人がいると通報されて、係の者に連行されながら、自動的に退園口に辿り着く事が出来た幸せ者であった。

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