第11話 従魔進化

 二人が眠る中、僕はステータスを確認する。


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ステータス


 アキラ


 レベル55


 HP 18000

 MP 23000

 

 STR 2500

 DEF 2500

 DEX 2500

 AGI 1800

 INT 3000

 MND 3000


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 いつの間にかレベルが55まで上がってる。もしかしたら赤ん坊だと経験値が多くもらえるのかもしれない。

 普通の赤ん坊は魔物に勝てるわけがないもんな。それと同じ種族、人間を倒した時も経験値を多くもらえていると思う。

 今なら召喚で書いてあったこともできるかもしれないな。


「バブ」


 ゴーレムの魔石を重ねる。すると共鳴するように輝きだす。あまり明るくなりすぎると二人が起きちゃうので体で覆う。それでも光が漏れてしまうの手早く済ませよう。


 魔石を合体させるにはマナ、MPを注いでいかないといけない。体で覆いながら意識をお腹あたりにある魔石に向ける。

 腹筋に力を入れるように意識しながらおへそからMPを放出するようにイメージ。ちゃんとできているのか心配だったけど、しっかりできてるみたいだ。

 魔石が点滅をし始めて一つ一つが合体を初めて大きくなっていく。4つが1つになると赤い光が黄色に変わる。強さで光が変わるのかな?


「バブバブ……」


 試しに出してみたい。そう思ったら体が勝手に動いてしまった。いつもの森の中の湖に向かう。

 湖につくと早速魔石から召喚を始める。


「……マ、マスター?」


「バブバブ!」


 黒い空間が見えて再度入ろうと思ったけどやっぱり入れなかった。すると黒い空間から白銀のゴーレムが出てきた。

 同じゴーレムの魔石だと上位種のゴーレムができるのかな? って喋ってる!?


「私のマスター? 赤ん坊?」


 僕を見下ろすゴーレムさんが困惑してる。

 そういえば、名前を考える前に出てきちゃったな。白銀のゴーレムだから【プラナ】にしようかな。


「私の名前、【プラナ】?」


 考えているとゴーレムさんは何かを察して呟く。どうやら、後付けでも名前は付けられるみたいだ。名前は直接従魔に知らせられるみたいだ。さすがに考えまでは共有できないか。


「マスター? 私は何をする?」


 レッグス達の二倍はある身長を僕の目線まで下ろして聞いてくるプラナ。とても優しい子みたいだ。今のところやることはないんだよな。

 でも、僕はやることが出来た。


「バブ!」


「魔石の合体ですか。それで私も生まれたのですねマスター」


 服の中から魔石を取り出すとプラナが声を上げる。

 コボルトとオークとゴブリンの魔石を取り出す。いっぱいあって服の中が大変なことになっていたから丁度いい。

 魔石を重ねてプラナを作った時のようにMPを注いでいく。すると魔石が一つになる。


「これは……獣王の気配を感じます」


 プラナはそう言って興味津々に魔石を見つめる。獣王? その要素はコボルトしかないんだけどな。まあ、召喚してみればわかるか。

 ということで召喚を始める。黒い空間からコボルト、犬というよりも狼といった様子の獣人が現れる。


「マスター? 赤ん坊なのか?」


 獣人は僕を見下ろして呟く。プラナと同じ反応で僕は胸を張って見せるとお腹を触ってくる。


「ふむ、赤ん坊だろうが強ければマスターとして認める。マスターは尋常ならざる者のようだ。認めよう」


 獣人さんはそう言って頷いてくれる。とても紳士的な獣人さんだな。容姿からはワーウルフって感じだ。名前はどうしようかな……。


「……名づけに悩んでおられるか? 我はワーウルフロード。ワーウルフの頂点の存在です」


「バブバブ」


 悩んでいると獣人さんが教えてくれる。なるほど、ワーウルフロードなのか。ん~、それじゃ【ウルド】なんてどうだろうか。


「【ウルド】不思議だ。体に染みわたるほどしっくりと刻まれる。まるで最初からその名だったかのようだ」

 

 ウルドは感動して涙を見せる。そんなに喜んでもらえると嬉しいな。


「マスター。わたくし共の力をお見せしたい」


「それはいい、偉大なるマスターに我らの力を見せられる。これ以上の幸せはありません」


 僕を抱き上げるプラナが提案するとウルドも賛成して一緒に走り出す。


「プラナ遅いぞ」


「ウルドが早いだけだ」


 走りながら掛け合う二人。四足歩行で走るウルドにゴーレムのプラナが勝てるはずもないな。

 村の前の街道にたどり着くと更に街道を進んでいく。するとゴーレムが流れてくるのが見える。ウィドも見えないくらいの距離だな。二人は予想以上に速い、プラナを遅いと言っていたけど、普通に早いぞ。


「まずは我が」


 声をあげてゴーレムの前に立つウルド。四足歩行の姿勢になると一瞬姿を消した。

 鋭くゴーレムに突進をして消えたように見えたみたいだ。ゴーレムが跡形もなく崩れ落ち、魔石を残して消える。


「次は私が」


 僕を下ろして声を上げるプラナ。無言で流れてくるゴーレムの前に立ちふさがると拳を振り下ろしジワジワと地面に押しつぶしていく。

 少しすると魔石だけを残してゴーレムは消えた。どうやら、二人はものすごく強い魔物みたいだ。余裕が見える。

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