第23話 エッチなスライム

スライムが大量発生しているという村、ムイル。


そこは、非常に悪質なスライムたちによって蹂躙されていた・・・。


俺たちはムイルの村に着いた。


そこでは、異様な光景があった。


女性が一人もおらず、クワなどの簡単な農具で武装した男しかいないのだ。


「これはこれは、王国からの援軍ですかな?

 私はムイルの村の長老イムルでございます。」


ルティアーノが答える。


「ああ、王国から派遣されてきた。

 しかし、何だこの村は。

 男しかいないじゃないか、むさくるしいなあ。」


「ええ。女性たちはすべてスライム軍にさらわれたのじゃ。

 スライムどもめ、何を考えておるのやら・・・。」


「なるほど、状況は理解した。

 剣聖ルティアーノの名にかけて女性たちを救ってやろう。」


「おお!剣聖様でしたか!

 これは心強い!」


「まあな。こっちは勇者ユキだ。

 2人がかりならばスライム討伐など朝飯前。

 大船に乗ったつもりで待っているがいい。」


ずいぶんと大きくでたな、ルティアーノ。


まあたしかに、スライム討伐くらい俺たちにかかれば余裕だろうけどな。


それになぜかやる気だ。


ここに来る前はめんどくさがっていたのに。


女性たちを助けてモテたいのだろうか?


「スライムたちはここから東の洞窟に潜んでいるようです。

 女性たちもそこにいるはず・・・。

 なにとぞ、よろしくお願いします、勇者様、剣聖様。」


「うん!」


ユキは頷いた。


そうして俺たちは東の洞窟へ向かった。


「しかしルティアーノ、ずいぶんと乗り気じゃねえか。

 出発前はあんなにスライム討伐をめんどくさがっていたのに。」


「ま、まあな。女性たちが困っているんだ。

 助けなわけにはいかないだろう?」


やっぱり女目当てかよ・・・。


しばらく歩くと、俺たちはとんでもない光景を目にする。


裸の女性が木に縛り付けられ、身動きが取れないでいるのだ!!!


「きゃあああ!見ないでええええ!

 でも・・・助けてえええええ!!」


助けを求めている!


「ぐへへ・・・。」


ルティアーノは興奮している模様。


ユキがその女性にさっと布を差し出し、裸体を隠す。


「ルティアーノ、なにしてんの!

 見とれてないで助ける!」


ルティアーノはまだ興奮冷めやらぬ様子。


その瞬間!


ルティアーノの顔にスライムがへばりついた!


「うぐ・・・、うぐぐぐ・・・。」


ルティアーノは息ができない様子。


俺は急いでスライムをルティアーノから引っぺがした。


「ぷはあっ!助かったぜ、パンテオン!」


「まったく。女の裸体に見とれている場合ではないぞ、ルティアーノ!」


「す、すまない・・・。」


スライムはそのまま逃げていく。


「スライムを追え!」


俺たちはそのスライムのあとをつけていった。


すると、気に縛り付けられた裸体の女性がまたしてもいるではないか!


「おい、これはどういうことだ!?」


俺たちはさっき助けた女性に事情を聞くことにした。


「スライムが私たち女だけをさらって、スライムの粘液で服を溶かしたんです。

 それで、木に縛り付けられました。

 他のみんなを助けてください!」


なるほど。やはりスライムの仕業か。


「ぐへへ、お安い御用でえす。」


ルティアーノは鼻の下を伸ばしている。


バシッ!!!


ユキがルティアーノの頭を叩く。


「サイテー!

 女性の裸目当てでしょ!

 この変態剣聖!」


いいぞ、もっと言ってやれ、ユキ。


「な、なにを言うか!

 お、俺はただ女性たちを助けたいだけだじょ!」


ほんとかよ・・・。


「ルティアーノはもう女性の裸見ちゃダメ!

 この女性を連れて村に帰って!」


まあ、それもそうだな。


こんな浮足立った状態のルティアーノに戦闘に参加されても危なっかしいだけだ。


「ま、まじかよお・・・。」


ルティアーノは残念そうだ。


「俺もそう思うぞ、ルティアーノ。

 お前は冷静じゃない。

 戦闘には参加させられんな。

 その女性を連れて帰り、村人の警護に当たれ。

 それも大事な役目だ。」


「それを言うならパンテオンも男だろ!」


「パンテはいいの!

 エッチな目で女性を見ないから!

 それと、その女性に変なことしたら承知しないから!」


ユキがくぎを刺す。


「ちぇっ!」


ルティアーノはそう吐き捨て、先ほどの女性を連れて村に帰った。


「さてと、俺たちは縛られた女性を助けますか。」


とはいえ、そういう俺も女性の裸体を見てちょっと興奮している・・・。


ルティアーノ、俺だけいい思いしちゃってごめんな。


俺たちが女性を助けると、木の後ろからスライムが出てきた!


スライムはユキの顔を確認すると、なぜか襲って来ずに逃げていった。


どういうことだろう?


「スライム、逃げて行っちゃったね。

 私の強さに恐れちゃった?」


ユキは少し自慢げに言う。


「いやあ、あんな下級の魔物に人間の強さを推し量れるものかね・・・。」


スライムは同じ下級魔物であるゴブリンよりもはるかに知能が低い。


スライムが襲って来ずに逃げたのにはまた別の理由がありそうだ。


とにかく、逃げたスライムを追ってみよう。


そうして俺たちはスライムを追いかけた。



<作者あとがき>


次回、スライムのとんでもないエッチな作戦!


ブクマ、評価ボタンをポチっとしていただけると大変ありがたいですm (_ _) m

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る