第2話 女の子の日

俺はユキのパンティになった。


これは運命の出会いだ!と確信するほどにお互いにフィットする履き心地、履かれ心地だった。


そして、ユキは俺を毎日優しくしっかりと洗ってくれた。


そのたびに俺は伝説のパンティとして力を付けていった。


まあ俺、伝説のパンティだから、洗われなくとも汚れはしないんだけどね。


そして、遂にその日はやってきた。


女の子の日、つまり生理だ。


伝説のパンティとしての本領を発揮する日だ!


「私、生理痛けっこうひどかったのに、このパンティを履いてから、全然つらくない!

 なんだかだるさも無いし、このパンティ、もしかして魔法のパンティ!?」


すると、またしても頭の中で声がする。


(ユキの言う通り、生理痛が緩和されたのは、あなた、伝説のパンティのおかげです。

 これにより、彼女は生理痛を気にすることなく、魔王との戦いに備えられるでしょう。)


なるほど、俺を履いた効果によって生理痛が無くなるとはすごい・・・。


さすがは伝説のパンティだ!


すると、ユキはハッとして言う。


「でも、このままだと、生理の時に出る血が大事なパンティに付いちゃって汚れちゃう!

 今はこの魔法のパンティは脱いでおこう。」


ユキはそう言うと、俺を脱いだ。


その途端。


「うう、このパンティを脱いだ途端、生理痛が重くなった・・・。

 やっぱりこのパンティを履いてないときついかも・・・。」


ユキはそう言って再び俺を履いた。


なるほど。俺を身に付けている間しか生理痛緩和の効果は持続しないんだな。


ユキ!俺は血で汚れたって構わんぞ!


そうしてしばらくしていると、ユキの血が流れるのを感じた。


そして、俺の身体にそれが注がれた・・・。


すると、俺はその彼女の血液を吸収し、結局パンティは全く汚れなかった。


しかも・・・。


(勇者の血液を摂取したことで、レベルが3上がりました。)


レベルまで上がってしまった。


これでユキは血を気にしなくてよくなるし、俺はレベルアップできる。


なんてウィンウィンな関係なんだ、俺たちは!


ユキも驚く。


「あれ?確かに今、血が出たと思ったんだけど・・・。

 どこも汚れてない。

 魔法のパンティのおかげかしら!」


こうして、俺たちのきずなは深まっていった。


しばらくそんな生活を送っていると、馬に乗った兵士がやってきた。


村人たちが何事だと兵士を取り囲む。


「私はパンティエッタ王国の将軍ティアノである。

 我々はこの地に勇者が誕生したとみている。

 心当たりはないか?」


あ、それ、俺たちのことじゃね?


すると、ユキが声を上げた。


「光の柱を見ていらしたのでしょうか?

 でしたら、私がその光の柱の原因です!」


「ああ、あなたが勇者様ですか!

 でしたら、なにか、こう、勇者の証のようなものはありませぬかな?」


勇者の証ねえ。


・・・伝説のパンティである俺しかないだろ。


でも、公衆の面前でパンティを晒すわけにもいかんしなあ。


ユキはもじもじしている。


「勇者様?どうなさいました?」


ユキはパンティを見せる!のではなく、将軍ティアノに耳打ちした。


「私が魔法のパンティを履いたら、光の柱ができたんです。

 おそらく、私の履いているパンティが勇者の証。」


ティアノは少し顔を赤くし、コホンと咳払いする。


「では、わが助手に確認させよう。

 きみ!彼女のパンティが伝説の装備だそうだ。

 裏で確認してくれたまえ。」


「はっ!ティアノ様!」


すると、助手はユキを連れ、ユキの部屋に入った。


そして、ユキは俺を見せた。


「なるほど、確かに勇者の紋章ですね。

 ありがとうございます。

 もうしまって結構です。」


すると、2人はティアノのもとに戻った。


「ティアノ様、たしかにこのお方は勇者であらせられます!」


助手がティアノに報告すると、ティアノは感極まった様子だ。


「おお!あなた様は我が人類の希望!

 なにとぞ、世界をお救いくだされー!」


「あ、あのう。

 私、ただの平民です。

 世界を救うだなんて、私にはできません・・・。」


そりゃそうだ。


ユキはついこの前までただの貧乏な少女だった。


いきなり世界を救えと言われて、はいそうですか、とはいかない。


「まあ、いきなり勇者と言われても信じがたいですよな。

 ま、まずは王城にいらしてはどうでしょう。

 そこで王様に会って、お話しされるといい。」


「お、王様!?

 平民の私が王様にお会いするのですか!?」


「そんな緊張なさらず。

 もうあなた様はただの平民ではございません。

 この国、パンティエッタ王国の宝なのです!」


「ちょ、ちょっと考えさせてください!」


すると、ユキはトイレに駆け込んだ。


ちなみに、俺はユキの尿意もわかる。


ユキはさっきからずっとおしっこを我慢していたのだ。


ジョボジョボジョボー・・・。


ユキは用を足した。


「はあ、スッキリ!

 でも、王様に会うのどうしよう。

 うちにはコロ助ちゃんもいるしなあ・・・。

 お父さんとお母さんは戦争で死んじゃったし、他に家族もいない。

 コロ助ちゃんを連れて行っていいなら、王様のとこ、行ってもいいかなあ。

 魔法のパンティさん、どう思う?

 って、しゃべれないよね。えへへ。」


俺は「行ってみようよ、王様のとこ!」と頭で念じると、パンティが一瞬きらりと光った。


ユキはそのきらめきを確認して、答える。


「魔法のパンティさんもそう思う?

 じゃあそうしよ!」


ユキは決心がついた様子だ。


ユキはティアノのもとに戻ると、コロ助について質問した。


「うちのワンちゃんも連れて行っていいのなら、王様のとこ、行きます!」


ティアノは少し考える。


「まあ、犬1匹くらいならいいでしょう。

 では、明日、またこの村に来ます。

 その時に、王城へお連れしましょう。」


こうして、俺たちは王城へ向かうこととなった。


<作者あとがき>


次回、パンティ能力覚醒!?


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