第2話 彼岸花が咲き誇る

とある村に少女がいた。


8歳ぐらいだろうか。


小さな青色の花を片手にある場所へ向かう。


そこは、少女の家である。


しかし、村とは反対のとても山の近くにあった。


一応、村の中と言っていいもかもしれない。


なぜこんな場所にあるのだろうか?


家の中には老婆がいた。


「なんでうちに黒髪がとまるんだ...」


そう、少女の髪は黒髪だった。


黒は不吉とされる。


母親と父親はそのことを知ってなお、育てようとしていた。


しかし、ばれてしまうのは時間の問題だった。


そして、雨が数日降らなかった時に殺された。


しかし、少女を殺そうとした時、雨が降った。


そのため少女は殺されなかった。


毒殺だったため、幼い少女は両親が殺されたことに気がつかなかった。


そう、少女が向かっていたのは家の横にある両親の墓であった。


そして、花を少女はお供えする。


その時、幼女は聞いてしまった。


「いつ、追い出すのですかい。村長さん。」


「あの不吉な子か」


「ええ、両親と同じく毒殺しますかい?」


「今後、村民に不吉なことがあったらな。その時は...な。」


少女は涙をこらえて森へ駆け出す。小さな青い花を握ったまま。


そして、森の奥へ行くと彼岸花が咲き誇っていた。

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