13

「お兄さんはどちらから、東京へ?」


「あっ、ごめんなさい。お姉さん…で良かったですか?」


「まぁ、陸君と言ったかしら?良いのよ、そんな気を使わないで、あたしみたいなのは、はじめてかしら?」


「えっ、あっいや…そんな事はないです。どっちかと言えば、望みたいなのが…」


あたしと、陸君の後ろを少し離れて歩いている男をちらりと盗み見て


「あの人何かあるの?」


小声できいてみれば


「あの人男にしか興味ないから…」

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