※三章 薫と香
16
優希さんと別れて、一人部屋まで戻る途中に、組の人達が三人開いていた居間で何かをしているのが見えた。
ポータブルゲーム機を使って遊んでいる。
しかも、私が欲しかったソフトのコマーシャルで耳にする音楽が聞こえる!
かなり人気のあるゲームで子供から大人まで遊べる。
一人が私が覗いているのを見て
「お嬢さんも一緒にどうです?」
声を掛けてくれたのは、迎えに来てくれた時に運転手だった、林さんだった。
他の二人も顔だけはこちらを向いている。
あからさまに嫌そうにしたのは、一人私より少し年上だろう、ヤクザと言うよりはヤンキーに見える。
もう一人は……
この場に居て良いのかと思えた、色白の気の弱そうな男の子。
高校生くらいだろう。
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