6

高速道路も壁しか見えなかったのが、木々の緑が多く車窓から見える様になってきた。

タヌキやシカに注意の電光掲示板が出ている辺り自然豊かな場所である。

窓を開ければ蝉の合唱する鳴き声が聞こえてきて、思わず


『寿命短いのに…』


と、思ったが、そんな事を言えるはずもなく、怖い運転手さん林さん以外は、静かに目を閉じている。

気がつけばウトウトとしていたのだろう。

眠りを誘う状況が揃っていたのだから…


どれくらい経ったのか、目を覚ませば一般道を走っている。

辺りは、西洋の屋敷が多く見受けられる観光地になっていた。

木々の隙間から射し込む陽射しは大分傾いている。


突如見えて来た屋敷が、周りとは調和のとれていない日本家屋の大きな屋敷が見えた。


車のスピードが落ち、屋敷の敷地の前の門が開いて、車は更に中へと進む。


大きな松の木の回りを半周し、車は停車した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

マフィアな彼らに御用心 びび @vivihanaaru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ