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香さんは神社の前で立ち止まった。

どうしたのかと、声をかけようと思ったけれど、何かを決意した様に


「よし!」


斜めにかけていたポーチの中からスマホを取り出し、画面をいじった後


「今から10分たっても私が戻って来なかったら、ここのまま通話押して」


画面には優希さんと出ている。


「あの…何で?」


「要君はここで待ってて、直ぐに戻って来るから」


ここで俺は待っていろと、言う事だ。


「でも、俺も一緒に行きます」


お日様が雲で隠れ空は今にも雨が降り出しそうだ。


「お願い!」


と、俺にスマホを渡し香さんは神社の境内へと入っていった。

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