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「香!」


おばちゃんからの話を聞くなり、駆け出して行ってしまった香に優希の声は届いたのか…


「あっ、おばちゃんご馳走様」


片付けもせずに要も後を追いかけていった。


「あんたは行かないのかい?」


「むやみに出て行ってもね…当てが無いもの…」



俺勢いで後追いかけて来ちゃったけれど、少し前を歩く香さんは後ろを振り返っては


「暗くなる前に戻って!」



って何度も言うけれど、むしろ俺よりか香さんが戻って欲しい。


何度目になるのか分からないやり取りをし、平行線のままの解決方法は見付からないけれど、香さんは諦めたのか


「わかった。じゃあ一緒に来てくれる?」


「はい!」

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