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「たのもー!」


あれ?だれも居ないのか?


「たのもー!」


「おい、ガキなに叫んでんだ」


藤崎組は施設からバスを乗り継いでこれたんだけれど、ついたと思ったら、知らねーオヤジに怒鳴られて、頭にグーを落とされた。


「いてーじゃねーか!何すんだよクソジジィ」


「あ?誰がクソジジィだと!」


「薫!子供相手に何をしているのですか?」


「このくそガキが門の前で叫んでやがって」


薫と呼ばれたオヤジを睨み付けていると


「君名前は?どこから来たんですか?」


背の高い着物姿の人が俺の目線に合わせて聞いてきたから


「俺は要。飯島要って言います。今日施設を出て、ここのおじさんの所で一緒に働くって約束してたから、来ました」


薫というオヤジに何か目配せをしたかと思ったら、薫は家の敷地内へはいっていって、目の前の着物のおじさんは


「ボスの客人でしたか、これはこれは家の者が失礼を」


頭を下げて


「では、ご案内します、さぁどうぞ」


俺の背負っていたリュックを林と呼ばれた人が直ぐに持ってくれて


「要さんお持ちします」


この二人は優しいと思った。

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