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 その後の初めての日曜日、隼人と理と奈穂子の三人は、隼人と理が毎回会っている公園に勢揃いした。

「え? シロもなの?」

 理も政治家を目指すと聞き、奈穂子はびっくりした。

「ああ。俺たちは運命共同体みたいなもんだからさ」

 隼人が言った。

「へー。二人がそこまでの関係だったなんて知らなかった」

「なったのは最近だけどさ。な?」

「うん」

 隼人に促され、理は返事をした。二人は笑みを浮かべている。

 そして隼人は奈穂子にしゃべった。

「それで、この前はそんなこと言わなかったし、悪いんだけど、俺たち両方のブレーンになってもらいたいんだ」

 すると理が続けて奈穂子に話した。

「ただ、やっぱり僕には政治家なんて無理じゃないかな。そう思わない? 平井さん」

「ううん」

 彼女は真顔で首を横に振った。

「無理ではないどころか、すごくいいかもしれない。中学生のとき、男子の多くがいじめてたし、多分そのせいもあってビクビクとした弱々しさが目立っていたために、声を大にして言う人はいなかったけど、シロって顔は可愛らしいし、優しい雰囲気がにじみでてたから、実は好意を抱いている女子はけっこういたと思う。うまくいけば、柴崎よりも有権者の支持を得られるかもよ、冗談じゃなく」

 理は、母親もそうであるように、整った顔をしている。奈穂子のその言葉は、理の不安を打ち消してあげるためのお世辞ではなく、本心だと感じ取れるもので、理は少し安心できたのだった。

「だよな。俺もそう思ったから誘ったんだ」

 隼人が自慢げに言った。

「えー、ほんとかなー?」

 奈穂子はそう口にした。

「でも、今の発言で、俺よりもって部分は余計だけどさ。俺だって負けないくらい可愛らしい顔をしてるんだから」

 隼人はふざけてスネた表情をした。

「プッ」

 奈穂子がそれを見て軽く吹きだし、つられて理も微笑んだ。そして三人は声を出して笑った。

 それは、全員が「こんなに笑ったのは、いつ以来だっけ?」と思うくらい、久しぶりの腹の底からの笑いであった。

 彼らを包み込むような心地よい日差しが天から降り注いでいた。

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