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きっとあの場に八重ちゃんが居なかったら、アタシ達どうなっていたのかしら…

どちらかが、半死にしていたかも知れないわ。

その、どちらかなんて、アタシでしょうね…


望の体格の良さにはアタシはかなわない。

それに、悔しいけれど力も…



言い合いになりかけたアタシ達を八重ちゃんが呼んでくれたタクシーに押し込まれて、今は家に居る。


話し合いにすらならない、沈黙。


時折漏れる溜息にアタシは更にイライラしていた。


キッチンに立っていたアタシは後ろから抱き締められるまで望が側に居る事に気がつかないくらい、心を乱していたのね。


「何よ…」


「仲直り…」


そんな一言で涙が流れてくるなんて…


後ろから抱き締められたまま…

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