第94話

「とっ友達…が薬くれて…薬っっ、薬塗らないとって思って」



友達って言うのが照れくさくてドモってしまった。




「友達…?」



はぅあ!?


ヤケに低い八雲さんの声。



「それは、男か?」



「ん?」



「友達ってのは、男か?」


眉間のシワがっっ!!



ん?

男友達?



んな馬鹿な!!



「女の子!!女の子ですよ!!"シャーウッド"常連さんの!!」



「そうか」



女の子と言った瞬間に、八雲さんの眉間のシワが取れ、頭を撫でられる。



「塗ってやる」



「……ほ?」



「塗ってやるから貸せ」



「いやいや、そんな!八雲さんのお手を煩わす……」



「貸・せ・?」



「ハイ!!」




あたしが八雲さんに勝てるはずもなかった!!



カウンターに置いてたのを取って戻ると八雲さんに薬を渡して、隣に座りなおす。



背を向けて、顔を下にして首をさらす。




「…………チッ!!!」




あわわ!!



しばらく、ジーっ首を見ていた八雲さんの舌打ち!



そして背後から、ブワッ漏れ出るブラックオーラ!

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